ぎんたま!

□財布を忘れた土方くんと陽気な坂田くん
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※同級生銀土






グウゥゥゥウゥゥウウウゥ

5時間目の生物の時間。
腹も満たされ、中年の教師の説明をBGMに一部の学生が寝静まった静かな教室で。大音量、かつ間延びしたそれは響いた。

「おい、誰だー今の。メシはさっき食ったばっかりじゃねぇか」

ドッ!

誰かの言った一言にクラス中に笑いが起こる。不意に視界の端に赤い色を認めて、坂田銀時少年は大きく手を挙げた。

「すんまっせーん。俺今成長期なもんでー」
「なんだよ銀時ー。腹に怪獣でも飼ってんのか〜?」
「ばーか。んなごっついもん誰が飼うかよ。アレだよ。こん中にピーチ姫がいんだよ」
「あっほでー!」

ゲラゲラ、と先ほどよりひとまわり大きな笑いが教室を包む。
ぺし、という軽い衝撃に銀時が顔を上げると、いつの間にか、生物教師が丸めた教科書を手に自分の席の側まで来ていた。

「坂田、今は授業中だぞー。その辺にしとけよー」
「ふえーい」

手をひらひら挙げながら答える銀時に、教師はそれ以上の興味をなくして早々と授業に戻った。

「それで、噛むことによってこのデンプンが糖になるわけだが──」

突然横を向いた銀時とばち、と目が合う。

土方十四郎、16歳。ひとには言えない恋をした。



………………………
そんな始まりがあったっていいじゃない。


る〜るっるるっる〜

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