ぎんたま!
□偽装するのはスリーサイズまでにしとけ
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沖→土
「…ちょう」
…あれ?
ん、まただ。なんだこれ。
胸の違和感に顔をしかめる。
上司が見当たらないのをいいことに自室の縁側で足を投げ出して、真っ昼間からサボりを決め込んでいた時のことだ。視線の先には、庭先で近藤さんと土方コノヤローが楽しそうに笑っているのが見えた。
ちくん。
「隊、長」
「沖田隊長?」
「あ?なんでいザキか」
呼ばれた名に振り向くと、書類を抱えて心配そうな顔をしている山崎と目が合った。あ、やべーなコレ。
「どうかしたんですか?ずっと話しかけても気づかないし」
「……。」
妙に勘繰られてはたまったものではない。なんと返事をしようかと考えて、適当な返事を返す。
「お前、スリーサイズは?」
「はい?…えっと、上から85…」
めちゃくちゃな質問で話をうやむやにしてやると、律儀に答えが返ってきた。監察方が話をすり替えられたのにも気づかないのでは、とちょっと思うがまあどうでもいい。
「うわ。何まじめに答えてんでい。キモッ」
そんな…聞かれたから答えたのに。なんて呟く声を無視して、何食わぬ顔で先ほどの光景に加わった。
…………………………
まだ気づくわけにはいかないから。
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