暁の慟哭

□prologue
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―赤い

―紅い

―朱い

視界が紅蓮に染まる―

何が…何が起こった…?

瑠那は…どこだ…

なんだ…隣に居るじゃないか…

―!?

確かに居た。半身が吹き飛び、焼き爛れた肉塊が。

美しかった野原は、灼熱の焔に包まれていた。

戦争…戦争…戦争…

十歳になったばかりの彼「如月 戒」には厳しい現実だった。溺愛していたたった一人の肉親である「如月 瑠那」を第二次魔導大戦で失った…彼の心は狂い始めた。

彼は…第二次魔導大戦でのたった一人の生き残りだった…

「うっ…ぐうっ…ぐぐ…う…ウアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

―紅蓮の焔の中、彼の慟哭が響いていた…―。
 

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