幸せ古泉計画

□愛してるの証拠
1ページ/1ページ


この前、古泉がこんなことを呟いていたのを聞いた。

「僕はちゃんと、彼に愛されているのでしょうか…」

なんてことを…

確かに、俺は愛してるなんて言葉をあんまり言わない。

それは恥ずかしいからで…

でも、そのせいであいつが不安になったのかと思うと胸が痛んだ。

だから俺は古泉にあるものをプレゼントしてやろうと思った。

「古泉。」

呼び掛けると微笑みながら俺の方を向いてくる。

「どうしたんですか?」

「これ、やる。」

そう言って俺は古泉にプレゼントの入った袋を渡す。

驚いた顔で古泉は俺と袋を交互に見る。

「開けてもいいですか?」

なんて聞いてくるもんだから「勝手にしろ。」とそっけなく返す。

「こ、れは…?」

袋の中身を見たのだろう。不思議そうな顔をして俺を見ている。

仕方ない、言わないとわからないよな…

「愛されてる証拠が欲しかったんだろう?」

ま、こんなものでそんなもんになるかはわからんが…

古泉はどうしてそれを知っているんだというような顔をして俺を見てそれから

「だからって…これはないでしょう…」

そう言って苦笑のような照れたような笑みを見せた。

悪かったな。俺の頭じゃそんなもんしか思いつかなかったんだ。

「いらないなら返せ。」

そう言うとびっくりした顔で

「いらないなんて一言も言ってないじゃないですか。」

そう言うと古泉は袋に入っていたものを取り出してそっと指にはめた。

「ありがとうございます。大切にします。」

「おもちゃだぞ、それ。」

「それでも…これは貴方がくれた証拠なんでしょう?」

そう言って綺麗に笑うもんだから俺は熱くなった顔を隠す為に顔を背ける。

いつか…もっとちゃんとしたものをやるから…それまで待っていてくれよ…


〜fin〜


2009.10.21

お題提供
ひよこ屋
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ