小説
□やっぱり君が誰より好きだから
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「なぁ、三蔵」
「……」
「なー、さんぞー」
「………」
「三蔵ってばぁー」
「うるせぇ!ちったぁ黙れ、バカ猿!!」
ジープを走らせ数ヶ月。
何回目かの町に着き、三蔵一行は宿にてのんびりしていた。
悟浄は三蔵と悟空を、いつも通りの光景として、煙草を吸いながらのんびりと見つめ、八戒はお茶を啜りながら読書を楽しんでいる。
三蔵は――……
スパーーンッッ
最遊記きっての謎、ハリセンを取り出し悟空をひっぱたいている。
「いってぇ〜…」
「ふん…」
二人の親子を見つめる、現役保父さんとお兄さん的存在は、いつもの光景に溜息をつく。
何故、仲良く出来ないのかと。
「なぁ、三蔵。無視すんなってー!!」
「煩い、バカ猿。どうせ下らん話だろうが」
「ちげぇよ!!…三蔵に話があるんだ」
「……なんだ」