小説

□君の為の
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皆が寝静まった深夜、この船のコック サンジは、一人キッチンで明日の料理の仕込みをしていた。
散々してきたとは言え、料理中は集中をきたす事なく、時間をかけて丁寧にこなしていく。
集中しているため、些細な音もサンジの耳には入って来る。
そんな時、普通の人だったら気にも止めないような小さな音が、キッチンの出入口から聞こえてきた。

「……ゾロ、何の用だ?」
「…………腹が減った」

サンジは、ゆっくり扉を開けて入って来たゾロに、振り返りもせずに話し掛けた。
ゾロは、簡潔に自分の欲を言うと、椅子に腰掛けてくつろぐ。

「…だから何だよ」
「メシ作れ」
「…チッ…しょうがねぇな、少し待ってろ」
 
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