長篇小説
□お互いの気持ちが交差して
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「上手く行くと良いですね」
「………ああ」
「お。噂をすれば何とやら……おーい、悟空!」
食堂の扉を開けて、キョロキョロと三蔵達を探していた悟空を見付けると、悟浄は大声で悟空を呼んだ。
悟空は、その声で三蔵達を見付けると、駆け足で三蔵達の方へやって来た。
「おはよっ」
「おはよーさん」
「おはようございます」
「…おはよう」
三者三様の挨拶を聞くと、悟空は店員に朝食を注文して席に座った。
悟空は落ち着き無く、三蔵をちらちらと見ている。
そんな悟空に気が付いた八戒は、悟浄に耳打ちをして席を立った。
「僕等はもう食べましたので、先に部屋に戻ってますね」
「じゃーな、悟空、三蔵サマ♪」
三蔵は唖然と二人を見送り、悟空と二人きりになった。