長篇小説
□この気持ちは継続する
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頭を拭きながら悟浄は、煙草に火をつけると、間を置き三蔵に話しかけた。
「悟空の事だけどよ、いい加減告白したらどーよ?」
「…関係ないだろう」
荷物から着替えを取り出すと、三蔵はさっさと風呂場へ向かおうとする。
しかし悟浄の次の言葉で、足を止めざるを得なくなった。
「そんな事言ってっと…俺が貰っちまうぞ?」
「…っ!!」
冗談だと判ってはいたが、三蔵はその感情を抑える事は出来なかった。
持っていた着替えを床に放り出すと、悟浄の胸倉を掴み殴りかかった。
「っ…!?…な、にすんだっ!!ああ゙!?」
「うるせぇ!!」
大声で怒鳴りあったのが悪かったのか、宿が古いのが原因か、隣の部屋だった八戒と悟空は、騒ぎを聞き付け部屋に飛び込んで来た。