長篇小説
□この気持ちは継続する
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そんな三蔵に、八戒は呆れながら話し掛けた。
「三蔵、苛立つのは判りますけど、八つ当たりはやめて下さいよ」
「…うるせぇ」
一言で八戒を切り捨てると、そのまま目を閉じて浅い眠りについた。
次の町についたのは夜遅くで、開いている宿屋は一件しかなく、多少古くはあったがやむを得ずそこに入った。
簡単な手続きを済ませると、二人部屋が二つ取れたので、三蔵と悟浄、八戒と悟空で分かれて部屋に早々と引っ込んだ。
「三蔵、風呂空いたぜ」
「ああ、分かった」
悟浄が、部屋に備え付けの風呂から上がると、三蔵にそう声をかけてベッドに腰掛けた。