長篇小説

□この気持ちは継続する
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三蔵一行が西へ向かい始めてから、11日目。
先程の村で朋茗から貰った弁当を食べながら、三蔵は昨晩敵に向かって言った言葉に、蟠りを残していた。

『他人を危惧してやる程――……』

今までなら、それが当たり前だった。
しかし、悟空への気持ちに気付いてから、三蔵は判らなくなっていた。
悟空は大丈夫なのか、あの時冷静を装ってはいたが、そればかりが頭の中で渦巻いていた。
悟空の無事を確認した後は、柄にもなく安堵している自分が居た。

「んぐっ…あれ、三蔵。それ食わねぇの?」
「……ああ」
「じゃ、ちょーだいっ!!」

悟空はそういうと、三蔵の食べかけのから揚げを取り皿から取って、口に放り込んだ。
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