長篇小説

□気付いたのは唐突に
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長安付近の町の外れに、小さな一軒家が建っている。
そこの家には、二人の男性が住んでいる。
悟浄と八戒だ。
その二人の所に、悟空は遊びに来ていた。

「なぁ、八戒」
「? どうしました、悟空」

悟空は、食べていた饅頭を飲み込むと、向かいに座っていた八戒に、話し掛けた。

「最近、三蔵が変なんだ」
「あの生臭さ坊主が変なのは、いつもの事だろ?」
「悟浄 …変って、どんな風にですか?」

茶化しを入れた悟浄を、八戒は諌めると悟空に話しを向けた。
悟空は、少し考え込む素振りをすると、ゆっくりと話し始めた。

「んー…まず、煙草の量が増えた」
「いらつく事でもあったんじゃねーの?」
「悟浄 …それから?」

また茶化した悟浄を、八戒は諌めてコーヒーを一口啜った。
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