お題

□5 小さい頃の約束
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夕焼け空、すっかり日が沈むのが早くなったなと思う。

私はあの丘に来ていた。


―もう、ツナとここに来ることは無いんだ。


コレが最後。
丘から見える並盛を見つめる。



京子ちゃんとツナが付き合い始めてからはいつものようにここに来てた。



『もうやめよう。ここに来るの…』


思いだすから。

あの日の約束。


凄く小さいときだった。
幼稚園くらいだったかな?



『美月ね、ツナ君のこと大好き!!』

ツ「ほんと?
俺も美月ちゃんのこと好きだよ!!」

『じゃあ、大きくなって美月がまだツナ君のこと好きだったらツナ君のお嫁さんにしてね!』

ツ「うん!!約束っ」

そう言って指切りを交わした。





今思えば、凄く恥ずかしい約束だったな;


とんでもないこと言ったね私。


『ツナは、憶えてないよなー…』
ツ「憶えてるよ」

『Σっツナ!!??なんでここにっ…?』


そこにはツナが居た。
走ったのか息が切れ掛かってる。


ツ「美月…俺、お前じゃないとダメ…
京子と付き合ってから分かったんだ」


ツナは私を抱き締める。

ふわり、と壊れそうな物を扱うように。


ツ「俺は今でも美月のことが好きなんだ…」


『…!!ツナ大好き…///憶えててくれてありがとうっ…』


もう離れない。


私たちは夕日の沈む丘で、触れるだけのキスをした。

あなたは、憶えてますか?
大切な人と交わした約束。



 

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