お題

□2 近すぎて見えない
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俺の横で寝息を立てている美月。

幸せそうな顔して寝てる。

コイツ…こうしてれば可愛いのに。


ぼうっと美月の顔を見ていたら席に京子が立っていた。


中学から、俺の憧れの人。


それが 好き って感情かは分からなかったけど、いつもキラキラしてた。


京「あれ?美月ちゃん寝ちゃったの?」

ツ「うん。ついさっきね」

京「…ツナ君、話があるの…ちょっと来てくれないかなっ;」


うん、と俺達は教室を出る。


美月を山本と獄寺君に任せて京子の後に続く。





京「あのね、ツナ君」


屋上、冷たい風が顔に当たる。

どことなく真剣な顔で俺を真っ直ぐ見つめる京子。


開かれた口からは、思いもしなかった言葉。


京「ツナ君って美月ちゃんのこと…

好きなの?」

ツ「んー…。
あいつは幼馴染だし…妹みたい、それだけだと思うけど…俺も良く分かんないんだよね」


そういえば、そんなこと考えてみたこと無かったな。



京「私ね、ツナ君のこと…好きなんだよ…」



唐突に、そう言われた。
彼女の瞳には涙が溜まっていた。


自分の気持ちが分からない。


この子はただの憧れ。


好き…そうなんだろうか…?


俺はこのとき、どうしたら良いのか分からなくて、

ツ「うん…ありがとう」


つまり“Yes”と答えたんだ。




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