企画

□beans
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今日という日に…


『beans』


「お〜い毛利、入るぜ?」


毛利がいるであろう間に入ると、突然勢いよく飛んできた小さく固い粒の嵐。


「いででっ、いでぇっ」


しばらくして嵐がやみ、思わず前を見ると、そこには升の中に豆を山のように入れている毛利の姿


「テメっ、毛利!
突然何しやがんだ!?」


俺が思わずキレると、いつもの平然とした態度で俺を見つめてきやがる。


「鬼は外に出ていくがいい」

「はぁ?」

「貴様が我の屋敷に入ると、福が来なくなるではないか。」

「なっ…」


たく、人を疫病神みてぇな扱いしやがって…!

このまま、西海の鬼をナメられて黙って帰るわけにゃいかねぇ…!


………ん?

待てよ……


鬼……?

福……?


こいつぁ、もしかして…


「毛利、今日ってまさか…」

「今頃気付きおったか。今日は節分ぞ。」


わ、忘れてた…

俺ぁもしかして、相当大変な日に毛利に会いに来ちまったんじゃあ…


「我が直々に鬼退治をしてくれようぞ」

「お、おい、ちょいと待った!」

「ここにきて命乞いをするか。
フン、西海の鬼ともあろう貴様とは思えぬ情けない面よ。
我の前に屈し、散るがよいわ」


気付きゃあ、言われたい放題言われてんじゃねぇか

いつもながら、腹立つぜ


こうなりゃあ…!


「この西海の鬼を愚弄するたぁ、いい度胸じゃねぇか…
アンタに鬼の底力ってもんを見せてやるぜ!」

「減らず口を」


再度豆を投げ付けてきやがるが、んなもんはもう効かねぇぜ?

何せアンタは、この西海の鬼を本気にさせちまったんだからよ


「なっ、はっ、離せ!
離さぬか長曽我部っ!」

「誰が離すかよ」


力ずくで手首を掴むと、升が落ちてその辺りに豆がいっせいに散らばる。


形勢逆転。


「節分の日に鬼に喰らわれるのも、また一興だぜ毛利よ」

「はっ、離せ!離せと申すに…!」


「この西海の鬼を、とくと味わいな」


福は内


鬼も内



END



……………………………
鬼ということで、瀬戸内二人の節分風景。
一方的に豆を投げ付けてくる元就様に、キレて反撃をするアニキ。
勝敗は…もう決まったも同然?(笑)

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