企画

□What do you want?
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「旦那、旦那!何か欲しいものある?」

「欲しいもの?」


『What do you want?』


今日は南蛮じゃ、くりすますいぶ、なんて言う祭の日らしい。
だから俺様も、その形式に乗っ取って旦那に何が欲しいか尋ねてみた。

答えは分かりきっていたから、いつもの感覚で例の物を用意。
そう、旦那の大好きな団子。

何が欲しいって聞いて、これ以外の言葉を俺様、聞いたことないからね〜

だから、ちょっとした驚きも含めて用意してきてみたり。

でも、願わくは…


「俺の欲しいものか〜」

「うん、旦那の欲しいもの!何でもいいよ?」

「何でもよいのなら…」

「うんうん」

「う〜ん、ならば…」

「ならば?」

「佐助っ!!」

「そっか〜、そいつは嬉し…………は?
旦那、そいつは駄目だって!
いくらなんでも、こんなとこで正面突破は…」

「ん?それは如何様な意味なのだ佐助?」

「え…?」


ちょっと、どうしよ…
俺様、すごく一人で暴走しちゃったんですけど…

しかも、こんな破廉恥なこと言ってんのに気付かない旦那って、やっぱり天然というか純粋というか…

まぁ、察してもらっても困るけどさ…
変に疑っちまいそうだし


「ん…?」

「どうしたの、旦那?」

「佐助、もしやお前…」

「おわっ!?だ、旦那っ!?」


突然思いきり抱き着かれて、思わずフラついちまったのもつかの間…

旦那、背中に腕回してんのって、もしかして俺様を抱きしめてんじゃなくて後ろに隠してた…


「やはり団子を隠し持っていたか!」

「あは…あははは…はぁ…」


あのさ、旦那…
破廉恥までは察しなくていいから、せめて俺様の気持ちだけは察して…?

俺様のこの気持ち、どうしてくれんだよ〜!
片思い?
確かに忍に恋なんざ関係ないけどさ、でも…でも…!


「旨いっ!!」

「そ、そう?そりゃよかった」


こりゃ、まだまだ時を要しそうだわ…



END



……………………………
珍しく冷静さを失いはやとちりしてしまった佐助。
主の天然に、どこまでも振り回される苦労人です(苦笑

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