企画

□I am...
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梵天丸様…
それは、反則です……


『I am...』


「…確かこの辺りに置いたはずだったのだが…」

肌寒くて羽織っていた羽織りを軍議の為、自室に脱いでいったはいいが…

はてさて…
軍議から帰ってきたら、ここらで脱いだはずの羽織りが消えている…

一体、何処へ……


「小十郎〜?」

ふと声がした襖の方に振り向くと、そこには梵天丸様。

「梵天丸様、それはまさか小十郎の…」

そう、梵天丸様がお召しになられている、その羽織りこそ、この小十郎が探していた羽織り…

それも丈がそのままで、裾を引きずっておられる

「御免、小十郎。しばし借りてた」

「あ、い、いえ…」

「なぁなぁ、見てみて小十郎!」

「は?」

そう仰せになるなり、少し腕まくりをして己が前髪を後ろにかき上げていく梵天丸様。


一体、何をしておいでか…?


揚げ句の果てには、この小十郎の刀を鞘ごと腰から引き抜いてそれを構えて…


「俺は片倉小十郎景綱!どこからでもかかってきな!!」

「梵天丸、様…?」


まさか、それはこの小十郎にございますか?


腕まくりをした袖が再度垂れて、引きずった裾に身の丈程もある刀を一生懸命構えられて…


梵天丸様…
それは、反則です……
あまりにも愛らし過ぎて…
逆にどう反応してよいやら、分かりかねます……


「どう、小十郎?
似てる?」

「えぇ、とても…」

「…おわっ!?
こっ、小十郎…?」

「申し訳ありません、梵天丸様…少しだけ…このまま…」


申し訳ありません…なれど…この小十郎…我慢なりません…

ゆえに抱きしめてしまったこと…
何卒お許しを……


「変な小十郎〜」

「変で結構」


END



……………………………
自分の格好をしている若に、萌えている小十郎。
若き日の小十郎は、己の理性を手放してしまう時が、しばしばあったという設定です(笑)
 

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