企画

□magic
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もしも、我に魔法が使えたならば…


『magic』


「そういやぁよ、南蛮じゃ、はろ…はろ……」

「はろうぃーん、であろう?」

「あっ、それそれ!って、何でアンタが知ってんだよ、毛利?」

「ザビー様より教わったのだ。」

「あぁ、あの…愛がどうとか言ってる、インチキ商売やってる野郎か」

「…貴様、余程死にたいと見える」

「おわっ、ちょっ、タンマ、タンマ…!」


我が師を愚弄するとは、笑止千万。
日輪の意向をもって、貴様を地獄に葬り去ってくれようぞ、長曽我部…


「ま、まぁ野郎はおいといて、アンタのところは、その〜、はろ…何とかっつー南蛮の祭事はしねぇのかい?」

「…うむ、しようとは思っているが、生憎そのような暇がない」

「へぇ〜。聞いた話じゃあよ、その日は一日、何かに変装するんだってな?」

「あぁ、そうだ」

「アンタだったら、何に変装するんだ?」

そうだ…
我としたことが、それを考慮していなかった…
愚かな…仮装無しのはろうぃーんなど、つまらぬ

だが、強いて申せば…

「…魔法使いだ」

「…は?何だ、そりゃ?」

「魔法とは、人間では到底成せぬ超人技のことよ。例えば、城壁を無傷ですり抜けたり、空を飛んだり…」

「へぇ〜」

「魔法使いというのは、その超人技を使う者のことだ」

「成る程ね〜。んで、その魔法使いとやらになって、アンタは何するんでい?天下統一か?」

「フン、天下など、魔法に頼らずとも、我の采配があれば十分とれるわ」

「ははっ 相変わらずだな。んじゃあ、天下じゃねぇとしたら、何をするんだよ?」

「それは…秘密だ」

「あぁ?んだよ、ここまで話広げといて秘め事ってか?」

「フン」


致し方あるまい…
貴様に申したところで、馬鹿にされるは必定…
なれば、いっそのこと、口に出すべきではない…

魔法が使えたなら、貴様の心を奪いたい…
戦知恵には長けていても、かような知恵には長けておらぬ…

だが、貴様を我々のものにしたい…
だから、魔法が欲しいのだ…


「毛利、どうした?」

「いや、何でもない」


だがいつかは、魔法でなく我自身の力で貴様を振り向かせてみせようぞ、長曽我部元親よ…


END



……………………………
いつもはcoolな元就様も、実は頭の中はメルヘン?!
でも、そんな元就様も可愛くて好きです(笑)
 

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