企画

□Halloween
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『Halloween』


「佐助っ、佐助はおるかっ!?」

「はいは〜い、どうしたの旦那?」


旦那の自室に行くと、いつにもまして気合い十分な旦那。

一体、どうしちゃったの?


「佐助、『白虎沢庵(びゃっこたくあん)』を作るぞ!」


は……?
何、それ…
聞いたことも見たこともないんですけど……?


「旦那、その〜『白虎沢庵』って、何?」

「ん?政宗殿から聞いたのだが、え〜っと…今日は南蛮では祝言の日らしくてな。『白虎沢庵』を作ると魔王除けになるらしい!」

「何で祝言の日に魔王除けの物を作るのさ?っていうか、南蛮にも魔王っているの!?」

「そこらはよく分からぬが、とにかく『白虎沢庵』は、魔王によく効くらしい!佐助、さっそく作るぞ!」

「へいへ〜い」


…っつーか、何材料って…まさか、本当に沢庵だったりしないよね、旦那!?


「これだ、佐助!」

「旦那、それって…」


南瓜じゃん、しかも少し大きめの…


「実際に見てきたのだが、こうして小刀で目や鼻、口をくり抜いて、出来上がったら中に蝋燭を入れ火を点し、門前に飾るといいらしい」


今日は南蛮の祭事…
あ、そういやぁ、ちょいと南蛮について前に調べたけど…

旦那の言ってる祝言やら、白虎沢庵ってのは、まさか……


「ねぇ、旦那」

「ん?どうした佐助?」

「旦那の言ってる、その南蛮の祝言って、『はろうぃーん』っていう祭事じゃない?」

「おっ?そういえば…」


やっぱりね、旦那の素晴らしき聞き間違いだ…


「んで、南瓜は『白虎沢庵』じゃなくて『じゃっこらんたん』、ちなみに魔王除けじゃなくて、魔よけね」

「おぉっ!そうそう!政宗殿もそう申されていた!」


はは〜…
全然違うんですけど〜…
っていうか、旦那の言葉でピンときた俺様の方がすごくないっ!?


「佐助っ、お前も手伝え!」

「了〜解っ」


たまには、任務忘れて二人で祭事の準備に没頭するのもいいかもね

何より、任務じゃないから旦那の傍にずっといられるし、そう考えると、はろうぃーんもなかなかいいかもな〜

「佐助っ、出来たら二人で門前に飾りに行くぞ!」

「へ〜い」


今日一日、何となく幸せかも…

はっぴー はろうぃーん!
なんちゃって…


END



……………………………
いつもの如く天然な幸村。言葉の意味は分からずとも、いつでも真剣に取り組むのが幸村なのです
 

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