企画
□black cat
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『black cat』
「Hey,小十郎!」
「政宗様っ、いかがされたのですか、その格好は…!?」
「ん?見ての通り、black catだ!」
「…いえ、かような事をお尋ねしているのではなく、何故そのような格好をされておられるのか」
己の自室に上機嫌で訪ねて来られた我が主。
しかしながら、何故黒猫の装いなど…
違うものに目覚めてしまわれたのだろうか…
「Ah?小十郎、今日が何の日なのか知らねぇのか?」
「はてさて…思い当たりませんな」
「今日はHalloweenだろうが!」
「は…はろ……あぁ、政宗様が以前仰せになられていた南蛮の祭事にございますか。それでそのような黒猫の装いを…」
「どうだ、似合うだろ?耳や尻尾もあるんだぜ?」
「えぇ、よくお似合いです、政宗様」
己の前で楽しそうにクルリと回る政宗様。
どれだけ歳月が過ぎようとも、貴方様の無邪気さはいまだにご健在のようですな…
なれど、その無邪気さが、この小十郎には愛らしくてたまりません…
「政宗様、ちょっとよろしいですか?」
「ん?何だ、小十郎?」
己の手元にちょうどあった赤い紐と鈴。
赤い紐に鈴を通して、やって来た主の首元に付けた。
「小十郎?」
「猫は自由奔放ですからな、この小十郎のものであるお印を付けておかねば、他の者たちに可愛がられては困ります」
「っ………」
主が気恥ずかしそうに俯くと、チリンと鳴る鈴の音。
政宗様、この小十郎の自己満足とも言うべく身勝手な振る舞いを何卒お許し下され…
なれど、この小十郎、貴方様を誰にも奪われとうはございませぬ…
「…小十郎」
「はっ」
「俺は…お前以外の野郎にはout of 眼中だから、心配はいらねぇよ」
「政宗様…承知致しました」
ありがとうございます、政宗様…
この小十郎、誠に嬉しゅうございます…
「大好きだぜ、小十郎」
END
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筆頭のあまりの可愛さに、独占欲丸出しの右目さん。
でもまぁ、今に始まったことじゃないですが…(笑)