Short

□True or False
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「もう、疲れました。」


「は、」














True or False















セバスチャンがおかしくなったのは、グレルが得体の知れない薬をセバスチャンに飲ませた時からだった。



「坊ちゃん、貴方にはもう、うんざりです。我が儘で、自分勝手で、その癖自分が危険に晒されるといつも私任せで。もうたくさんなんですよね、そういうの。ハッキリ申し上げて、欝陶しいです。」


セバスチャンの口から、いつものセバスチャンからは信じられないような言葉がどんどんと出て来る。


「グレル!一体どういう事だ!」


事件の主犯であるグレルは、シエルを一瞥すると、面倒臭さそうに言った。


「あーん、キンキン煩いわねぇ…。知らないわよぅ…。私はただ、セバスちゃんに‘本音が出る薬’を飲ませただけで…。」

久々に来たかと思えば。

コイツはなんでいつも、こうもくだらないものばかり…。
シエルは頭を抱えながらグレルに問う。


「で、何だ、その‘本音が出る薬’とは。」


「ウフッ!これ、最近死神界で流行ってるの。いつもはなかなか本音を出さない人…まァ、セバスちゃんやウィルみたいなのね。そういう人にコレを飲ますとアラ不思議!日頃積もり積もった本音がポンポン出て来るってワケ!」


「…な、何なんだそれは…」


シエルの言葉を無視して、さらに続けるグレル。


「セバスちゃんって、普段アタシに冷たいでショ?アレって、実はテレ隠しなんじゃないかって思ったワケ。だから、コレを飲ませばアタシへの愛を素直に告白してくれると――「どうすれば治るんだッ!」


シエルが怒鳴ると、グレルは両手を耳に当てる。


「まったく…いちいち煩いガキねェ……知らないワヨそんなの…」


「ふざけるなっ!セバスチャンがこんな調子じゃ、僕はこれからどうすれば……。」


シエルとグレルの会話を無言で聞いていたセバスチャンが、口を開く。


「坊ちゃん、いつも私に頼るのはやめて下さい。迷惑ですから。」


「な……っ!」


「……コレがセバスちゃんの、アンタへの本音ってワケね。」

「!」


僕はこんなふうに思われていたのか。セバスチャンの事を好きだと思っていたのは……



僕、だけ、だったというのか―――――――――――?




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