Short
□True or False
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「……セバスチャン、お前は僕の事、どう思ってるんだ?」
セバスチャンは冷たくシエルを一瞥すると
「嫌いですね。反吐が出るほど。人に頼るしか脳の無い弱虫は、こちらから願い下げです。もう、私に近づかないで下さい。」
「!!」
シエルには、自分を汚いものを見るような瞳で見下ろすこの男の言葉が、とても嘘には聞こえなかった。
その瞳には、心の底から自分を嫌悪する気持ちが窺い知れた。
シエルは、信じたくなかった。
その瞳が、いつも、自分を『愛している』、『愛おしい』、と言い目を細める瞳と、同じ瞳であることを。
いやだ、いやだ、いやだ!
なんで、こんなふうになってしまったんだ!
戻って欲しい、
「……セバスチャン……それがお前の本音か?」
ほんの少しの期待を抱いて。
嘘ですよ、って笑ってくれることを信じて。
しかし、次の瞬間シエルのその微かな希望さえも打ち砕かれた。
「ええ、これが私の嘘偽りの無い、本当の気持ちですよ。」
「………ッ、もう……もう良い!勝手にしろ…ッ!」
シエルはそう言い放つと、部屋を飛び出て駆け出した。
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