え、何、あたしですか?あの今急いでるんでまた明日。

ちょ、急いでるって言ったじゃないすか。部活じゃないです、もっと深刻です。ではさよなら。


…ちょっと、本気で困るんすよ。早く帰らせ「いたいた!ゆりちゃんっ!」

………。


「教室で待っててって言ったじゃん。一緒に帰ろう。」


……あなたのせいで見つかったじゃないすか。え、彼氏?違いますよ。詳しくは噂でも聞いてみて下さい。







夕焼け色に染まる帰り道

隣りに並んでいたはずの大きな影が不意に消えたので、後ろを振り返ってみる。

すると何故か一緒に帰っているストーカー男――名を雅知(まさちか)という――が少し後ろで立ちすくんでいた。


「どしたの、雅知。」


そう呼んでみても返事がない。

なんだ、一体どうしたんだ珍しい。

表情を伺おうと顔を凝視してみるが、逆光でよく見えない。

それでも雰囲気的に何だかアンニュイなことはわかった。





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