「蜜菓ってさ、本当に俺のこと好きなの?」

「……はあっ?!」


急すぎるその言葉に、つい洗っていた食器を落としそうになる。


それを見ていた要はソファから起き上がり、私の後ろから出しっ放しの水道を止めた。






今日は学校帰りに要の家に来ている。

あの日から「野菜を食べないなんて体に悪すぎる!」と主張し、たまに作りに来ているのだ。


そのお陰か私の料理の腕前も少しだけ上がった気がする。



「な、なんでいきなり?」


後ろにいる要を意識しながら、頑張って口を開く。


「だって……。蜜菓、全然好きって言ってくれないよね。」


彼はそう言ったかと思えば、腕を私の前に回してくる。

そしてそのまま ぎゅっと抱き締められた。


「ひゃあっ」

「ねぇ、言ってよ……」


要の少し低くて、そして甘い声が耳元で響く。


それに身体中の力が抜けてしまって、私は思わず手の中の食器を落としてしまった。








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