□過ち
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俺は

ガキの頃から

親もいない

友達もいない

親戚の家で姉と一緒に世話になり

15の頃に頼りの姉に病で死なれて家を出た


16になり

話せる相手は幼馴染みの二人のみ

一人は一歩下がって師と仰ぎ見る人近藤さんで

一人は近藤さんの隣を陣取るライバル土方

でも、話せるのは友達ではないこの二人だけ

狭い世界

金魚鉢の世界


17になり

飛び込んで来た新しい風

外国から来たおかしな娘

夢中になって追っかけて、気付けば狭い水槽から飛び出して

色々と

これから

世界のいろいろ見たくて

綺麗なもの
優しいもの
楽しいこと
怖いことも
辛いことも
危ないことも

みんな

挑戦したくてたまらなかった

それが、こんな…

こんな結末、見たくなかった 
 


「いいよ総悟、ほら頑張って」

「あっ‥ア、くっ、あっアン!痛ぇ‥も、よせテメ…」

「なに?聞こえないよ」

パンパン響く肌の鳴く音

血と汗とよだれと精液が混ざり合ってできた、濁ったピンクの水溜まりに浸かりながら行われる性交は

もう何日続いているのか‥

生臭い男の匂いが充満する部屋で

日に許される食事の数を数える暇すらもなく

たまに打たれる薬に操られるまま

飢えも渇きも解らなくなるほど

ただ、快楽の中

狂うか死ぬかの狭間で

俺が見たのは
 

「どうだ?調子は」

「ご覧の通りいい仕上がりだよ」

「クク‥よお総悟、テメェのケツすげぇ下品な穴になってるぜ。これじゃもう婿には行けないなぁ?」

「ひじ‥かた、さっ」

神威に分厚いケースを渡して

俺に跨がる

幼馴染みによく似た容姿の

「やめっ‥助け‥アアンっ!!」

「くっ!いいぜぇ、総悟‥」

「ねえ土方の旦那‥

一つだけ教えてよ?
 
沖田総悟の葬式にはどんな顔で出席したの?



俺を地獄へ連れ去る

鬼だった



END
神楽に惚れていることが災いし、土方の罠にまんまとハマった沖田の話。

いつか同じ題材で書き直したい‥



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