真優’s

□ジャッカルの休日*南くんと一緒*
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『もしもし』






あれ…?






「あ…南だけど」

『おう!久しぶりだな!どうした?』

「えっと…」






間違いない、この声は…






『ん?』

「ジャッカル…だよな?」

『おう』

「……………」






やっぱり!

かけ間違えた!!!









電話からは本来聴こえてくるはずの軽い声ではなく、

少しハスキーな低音ボイスが聴こえてきた。


























**




















部活のことで千石に電話するつもりが

間違ってジャッカルに電話したのが事の始まりだった。

お互い部活もなく暇と言う事で遊ぶ事になったんだが…






「やあ南、久しぶり」

「プリッ」

「あ、久しぶり…」






何で幸村と仁王が此処に…?






「悪いな!お前との電話切った後にこいつらがウチに来てよ、

 南と遊びに行くっつったら行きたいっつーから」

「お邪魔だったかな?」

「いや!男二人で遊ぶよりワイワイしてた方がいいよ」

「ふふ。それは良かった」






何か…幸村の笑顔から冷たいものを感じる…。






「昼飯はどうするぜよ?」

「南が旨いもんじゃの店連れてってくれるみたいだぜ」

「「もんじゃ?」」

「あぁ!千石から聞いたんだ」

「たまにはいいね」

「ピヨ」






うぅ…

俺この二人苦手だ…





















「あー旨かったなー!」

「気に入って貰えて良かったよ」

「南の焼き方も様になってたね」

「結構食べるのか?」

「あぁ、部活の帰りに部員とな」

「たまにはもんじゃもアリじゃのう」






3人とも満足してくれたみたいで良かった…!

ありがとう千石!!






「これからどうする?」

「俺と仁王はこれで失礼するよ」

「え?」

「旨いもん食わして貰った礼ぜよ」

「あ、いや、礼なんてそんな!奢った訳でもないし!」

「じゃあジャッカルを頼むよ」

「ばいちゃナリ」

「幸村!仁王?!」






行っちまった…

一体なんだったんだ?






「悪かったな、騒がしくて」

「いや、全然!騒がしいのは慣れてるから!」

「はは、千石か?」

「まあ…」

「んじゃ、俺らは腹ごなしにブラブラ歩くか」

「あぁ、そうだな!」






考えてみたら、ジャッカルとこんな風に二人で会うのって初めてだな。






「南は休みの日は普段何やってんだ?」

「俺か?俺は派手だぞ!」

「はは!派手な休日ってなんだよ」

「えっと切手収集とか金魚の水槽掃除とか…」

「それって派手か?」

「……いや、地味だな」






後は部屋の掃除とか弟と遊んだりとか東方とか部活のやつらと遊んだり…

よく考えたら何て地味な休日なんだ!






「でも休日なんて地味でいいんじゃねぇの?」

「へ?」

「休日くらいゆっくりしてぇじゃん」






意外な反応だ。

千石とかなら地味だ地味だってからかってくるのに。






「そういうジャッカルは普段休日何してんだ?」

「俺か?大体部活のヤツらが家に押しかけてくるんだよな」

「今日も幸村と仁王が来たんだったな…」

「おう。先週は宍戸と鳳とブン太と遊んだぜ」

「へぇーお前ら仲良いのか!」

「結構な。他校のやつらと遊ぶのも楽しくて好きだぜ」

「それは分かる」






色々情報交換とか出来て楽しいよな!






「でも先々週赤也とストリートテニスに行った時は散々だったな…」

「何でだよ」

「神尾と伊武と石田に桜井が居たんだよ」

「あぁ、不動峰の!」

「赤也ともめてなぁ…。石田が割りと大人でまだ助かったがありゃ大変だった…」

「そりゃお疲れさん」






ジャッカルの取り合いでもしたか…?

揉めてる場面がリアルに浮かぶな。






「そいやー、俺のんびり休日過ごすのって久しぶりだな」

「?」

「お前と居ると落ちつくぜ。癒し系だな南って」

「な、何言ってんだよ!!」

「うちに癒し系はいねぇからなぁ」






な、何をそんなしみじみと!






「男が癒し系って言われても嬉しくない気がするぞ…」

「そうか?褒めてるぜ?」

「…あ、ありがとう」

「おう!」






そんないい笑顔で言われたら礼を言わざるを得ないよな。







「なあ、ジャッカル」

「ん?」

「また…遊ぼうぜ!」






何か好きな女の子に告白するくらいドキドキしながら俺がそう言うと、






「おう!いいな!今度は俺がコーヒーの旨い店紹介するぜ!」






そのドキドキを吹き飛ばす位の笑顔でそう返って来た。










俺とジャッカルはどうやら波長が合うらしい。

次に会えるのが楽しみだ!
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