真優’sA

□cotton candy
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それはまるで、君のよう。











【cotton candy】









「ジャッカルさん!」

「鳳」






ジャッカルを見つけると長太郎は笑顔で駆け寄った。






「スミマセン、待たせちゃいましたね」

「大丈夫だって。まだ約束の時間前だし」

「例えそうだとしても、一秒でもお待たせしたくないんです」






長太郎はそう言うとギュッとジャッカルを抱き締めた。






「鳳?」

「会いたかったです」

「…俺も、会いたかった」






長太郎の真っ直ぐな想いが伝わって、ジャッカルの胸が熱くなる。






「会って急に抱き締めるとか、そんな事するつもりなかったんです。

 でもやっぱり貴方の顔を見たら身体が勝手に動いてしまって…

 俺、ジャッカルさんが大好きです」






長太郎は満面の笑みでそう言うと、ジャッカルの返答を待たずして歩き出した。






「さ、時間が勿体ないですから出発しましょう!」

「お、おう。(サラッと恥ずかしい事を言うんだよなぁ。本人気にしてねぇし)」






ジャッカルが照れている事も気にせず、長太郎は話を続けた。






「今日はいつもより少し長く居られるんですよ」

「そうなのか?」

「はい!だからジャッカルさんちの近くの神社のお祭り行きましょうね」

「何で知ってんだ?」

「その…芥川さんに聞いてもらったんです」

「芥川?あぁ、もしかしてブン太にか?」






長太郎は少し恥ずかしそうに頬を掻きながら頷く。






「はい。どうしてもジャッカルさんとお祭りに行きたかったので、近々やってないかって」

「そうしたら会う予定だった今日に偶々やってたって訳か」

「はい。…あの、嫌でした?」

「まさか!俺も鳳と行けたらって思ってたから嬉しいぜ」






嬉しそうに笑うジャッカルを見て鳳は柔らかく微笑んだ。

その鳳の笑顔にジャッカルはドキッとする。






「どうしました?」

「あ、いや、何でもねぇ!」

「?」

(俺、鳳の今の笑顔好きだなぁ。あ、そうだ!)






ジャッカルは何かを思い付いた様で徐に携帯を手にした。






「なぁ、ちょっと電話してきても良いか?」

「電話ですか?構いませんよ」

「すまねぇ、直ぐ戻る!」

(急用かな?誰だろう)






長太郎は何だか楽しそうに電話をするジャッカルを見詰めながら

余分な嫉妬をしない様に祭りの事を考える事にした。







(折角久し振りのデートなんだから楽しまないと!)






数分後、ジャッカルは笑顔で長太郎の元へ戻ってきた。






「夕方、祭りの前に行きたい所あるんだけどいいか?」

「はい、勿論です」

「サンキュー!祭り、楽しみだな!」

「はい、俺も楽しみです!」






ジャッカルの嬉しそうな笑顔に長太郎も釣られて笑顔になる。






(思い切って芥川さんに頼んで良かった)
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