管理人の妄想
□お医者さん
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わたしとあなたは少し似ているのかもしれない。
始まりは紙切れ
生理が来ない。
そんなありふれた理由で婦人科にかかった。
それがはじまり。
「……。」
検査を終えての診察。
異常はないみたいだけど…なんかこの先生が苦手だ。
淡々と話を進めていく目の前のお医者さんは、きっと20代後半くらい。
一切笑わず、口調も冷たい。
思わず、わたし何かしました?なんて問いかけたくなる。
もちろん、何もしてないんだけどね…なんかやな感じ。
そういうわたしも人見知りで、慣れない人の顔を見て話すのが苦手だからとりあえず先生の見ているカルテを凝視。
一切視線交えることなく相づちをうつだけ。
「えー、じゃあこれ、血液検査の結果の紙です。一応渡しておきます。」
そう言って渡された用紙にはよくわからない言葉や数字がいっぱい。
と、小さな紙の切れ端。
「はい、では終わりです。」
「…あ、ありがとうございました。」
診察室を出て結果の書かれた用紙を見る、けどやっぱりよくわからない。
ので次に紙切れを凝視。
080…
ん?これって…
「…携帯の番号?」
???
これはほんとにわたしに渡すべきものだったのだろうか?
他の子にあげる予定だったものじゃないんだろうか?
頭の上のクエスチョンマークはどんどん増えていく。
「みょうじさーん、みょうじなまえさーん。」
「あ、はい!」
受付からの呼び声に、頭の上のクエスチョンマークも吹っ飛び、手の中の紙切れはとっさに握りつぶして上着のポケットに入れ、わたしは受付へと向かった。
*