PandoraHearts
□PandoraHearts−旋律がもたらす涙−
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ガラガラガラガラ・・・
とある村に近ずく馬車があった。
「オズ!!目的地はまだか!!」
いかにもイライラしている少女の怒鳴りが、
馬車から聞こえた。
「うん。ほんと!まだなの?ギルー。」
オズと呼ばれた少年・オズ・べザリウスは
つまらなそうな表情を浮かべて
彼の従者・ギルことギルバート・ナイトレイに聞いた。
「あと少しだ!おとなしく待ってろ!バカウサギ!オズ!!」
オズはちぇ、と舌打ちしただけだったが、
「私の名はアリスだぞ!!
私の下僕のくせに自分の主人に逆らうとは何だ!!
しかも、出発してから4時間と30分だぞ!!
よじかんと、さんじゅっぷん!!」
こんなに待てるかぁ!!
といらだっている彼女・アリスの怒りは止まらなかった。
もちろんギルの
「俺はお前なんかが主人じゃない!オズが主人だ!」
という言葉もアリスには聞こえず
空しく響いただけだったが・・・
チュンチュン・・・
見たこともない鳥が鳴いていた。
「・・・きれいだな。」
ギルがオズに言った。
「・・・うん。とってもきれいだね。。。」
「「この桜・・・・。」」
二人の声が重なったその時・・・
アリスが馬車から下りてきた。