PandoraHearts

□PandoraHearts−旋律がもたらす涙−
1ページ/3ページ

     ガラガラガラガラ・・・
  

とある村に近ずく馬車があった。


「オズ!!目的地はまだか!!」
いかにもイライラしている少女の怒鳴りが、
馬車から聞こえた。

「うん。ほんと!まだなの?ギルー。」
オズと呼ばれた少年・オズ・べザリウスは
つまらなそうな表情を浮かべて
彼の従者・ギルことギルバート・ナイトレイに聞いた。

「あと少しだ!おとなしく待ってろ!バカウサギ!オズ!!」

オズはちぇ、と舌打ちしただけだったが、

「私の名はアリスだぞ!!
私の下僕のくせに自分の主人に逆らうとは何だ!!
しかも、出発してから4時間と30分だぞ!!
よじかんと、さんじゅっぷん!!」

こんなに待てるかぁ!!
といらだっている彼女・アリスの怒りは止まらなかった。
もちろんギルの
「俺はお前なんかが主人じゃない!オズが主人だ!」
という言葉もアリスには聞こえず
空しく響いただけだったが・・・




       チュンチュン・・・

見たこともない鳥が鳴いていた。
「・・・きれいだな。」
ギルがオズに言った。
「・・・うん。とってもきれいだね。。。」

「「この桜・・・・。」」


二人の声が重なったその時・・・
アリスが馬車から下りてきた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ