☆特別☆

□**信**
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《待っていてね?》




そう言った彼


長期任務で里を出ていった彼


いつも笑っていた彼


もちろんその時も笑ってた彼


その笑顔を思い出す度に


つい窓の外を見てしまう私



「サクラ!」

師匠であり火影でもある綱手様は耳元で怒鳴った


「っっはいっ」


急いで返事をし、丸めていた背中を伸ばす


「まだ修行中だろう?
どうした?ここ最近たるんでんじゃないのか?サクラ」





「・・・・・」


「・・・カカシのことか?」


いざ本当のことを言われると心臓が一瞬止まる


長期任務に出かけてから3日に1回は繋がっていた連絡が


1週間ぐらい前から途絶えていた


口寄せのパックンさえ来ない


「少し休憩しようか・・・
あと悪いが団子を買ってきてくれないか?」


私の心の内を察したのか師匠が珍しく休憩時間をとった


「・・・ありがとうございます」


それでも心の重みは取れない




火影邸を出て団子屋へ向かう



医療忍術の修行はなんとか人の治療が出来るようになったぐらい


それでもまだかすり傷程度で


人の命を助けられる技術が


私にはまだ無い


このままじゃまた



みんなの足を引っ張るだけ




滅多にない休憩も


ただ気持ちが落ちるだけの時間だった







「綱手様!たった今イワシから連絡が・・・!」


シズネさんの言葉を聞いた途端私の心臓は大きく波打った


隣にいた師匠は爪を噛んで脳をフル回転させている



イワシの班=カカシがいる



その方程式だけが私の頭を駆け巡った


「シズネ!今から奈良、山中、犬塚を呼べ!」


師匠が挙げた名前の中に私の名前は無かった


やっぱりまだ私は認められてないんだ



「サクラ!早く仕度をしろ!カカシを助けにいくんだろ?」


きっとその時の顔は


曇った空が急に晴れた感じだと思う


「ありがとうございます!師匠!」


師匠から最高の笑顔が返ってきた
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