ばとんたっち

□ことわざ遊び
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「手加減なんかしてねぇよ。」

「先輩は、どうして嫌なんですか、知ることを。なにを怖がってるんですか。怖いんですか、愛が。」

ワケわかんねぇ。誰が、何を、怖がってるって?俺にはボス以外に怖いもんはねぇよ。なんてったってオレ、王子だもん。王子が愛だなんて怖がるわけねーよ。ただ、意味不明な邪魔なもの、必要としないもの。そう認識してる事のどこが怖がっているってんだ。まじ、死ねよ。

「先輩、愛とか恋とかって、人にとって大切なんです。」

「必要ねぇよ。現にこうして生活してんだろーが。」

バカですね、先輩は。と続けて言われ、ナイフを投げた。やはりそれも受け止められて。まじで、ムカつく。

「先輩知ってます?世の中には嫌よ嫌よも好きのうちって言葉があるんですよ。」

「しるか。」

てかそれって日本の言葉だろ。知るわけねーし。嫌よ嫌よも好きのうち?嫌なもんは嫌に決まってんだろ。オマエなんか好きじゃねーし。ありえねぇよ。マジで邪魔、消えろよ。

「先輩、ハッキリ言ってくださいよ。」

見透かされたような眼で見てくるコイツに、何も言えない。ウザい、キモい、死ねだとは言えるし、言う。だけど邪魔だとか消えろだとか遠ざけるような言葉を言ったことがない事に気付く。今言おうとしても、唇は風を通すだけで音を奏でない。何で、いえねぇんだよ?何だ、あれかよ。俺は無意識にコイツを近くに置いてたってことかよ。そんな自分にすら吐き気がする。

「先輩、好きです。」

「─‥‥っ」

なんでオレは言い淀んでんだよ。いつもと同じ言葉。なのにいつもと違うコイツが言うと、まるで違う言葉に聞こえる。ああ、耳障りにしかなんねー。

「そろそろ答えて下さいよ、先輩。」

さっきに対して、いつも通りにヘラリと笑うコイツに、ムカムカと胸が熱くなる。何なんだよ、マジで。わけわかんねぇ‥‥。腹の底から這い上がってくるムカムカとイライラを紛らわせるために、オレはまたナイフを投げつけた。ナイフがアイツに受け止められる前にオレはアイツに背を向けてすぐさま走り去った。







ザクリ、と血肉が切れる音が響いた。カランとナイフが床に落ちて、その数秒後にぽたぽたりと赤い血がその上に滴り落ちる。やっぱり先輩のナイフには赤が似合うな、だなんて思ったり。あーあ、ちょっと先走りすぎたか。折角手加減してくれてたのに、今回は本気の一歩手前だった。何焦ってんだ、私。まぁ、言い淀んでくれたってことは少しは意識してくれたのかな、なんて思うとなんか嬉しくなった。そしてナイフを拾い上げ、それもコレクションに加えようと呟き、スキップを踏んで部屋に向かって行った。


急がば回ってこけました

(だけど収穫はありました!!)











あとがき

あれぇぇええ!?!?

距離を縮めようとしたら逆に離れて‥‥orz

ゴメンナサイぃぃいい!
てか一回消えて最初と話が全然違うくなって、最初よりも駄文に‥‥(泣)









091226  狂華

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