ばとんたっち

□りれー用
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センパイも素直じゃないなぁ、照れ隠しにナイフなんて投げちゃって。それにしても、痛いなぁ…、収穫があったからいいけどね。うーん、この先どうしよう、あ、そうだ、押してダメだから引いてみよう。押して押して押してずっどーん、て引いてベルセンパイ困らせてやろう!ふふふふ、見ててくださいね、センパイ、貴方の心、この私が掴んでみせますから!

「で、何でミーに手伝わせよーとしてんだよー。自分のことくらい自分でやれよー。」

「いーじゃないですか、コウハイの恋、応援したくありませんか?」

「したくねー、めんどくせー、勝手にやってろよー。」

うわー、むかつく。手伝ってくれるなんてまあ、最初から思ってないけど。うーん、どうしよう、口でフランセンパイに勝てるかな…。

「うわー、フランセンパイってー、ベルセンパイと同じなんですねー。堕王子ならぬ、堕ガエルって奴ですねー。」

「何、上手いこと言って手伝わそうとしてんだよー。てか口調、まねすんなよー。」

あー、やっぱ無理か、仕方ない、こうなってしまったら最後の手段、あの噂にかけてみます。

「あーもういいやー、役立たねー、こんなカエル消えればいーのにー。ちょっと仕事の報告をボスにしてきます。」

「だから口調真似て悪口言うなっていってんだろー…、て、報告してないことなんてねーだろー。」

「え、ありますよ、フランセンパイの今までのサボり具合と、ボスへの悪口と、仕事でのミスと、」

「ミーは何をすればいーんですかー。」

よっし!かかったぁ!さすがボス、貴方様より怖いものなんてありません!てか、ほんとにさぼったり悪口言ってんだ。ミスも結構してるんだ、フランセンパイ動かすのも案外簡単だね。と、いうことは、ふははははは、フランセンパイさえ上手く動かせればこの恋の勝負、貰ったも同然!

「何故いきなり敬語になっちゃたんですか。
ま、手伝ってくれるなら、何でもいいですけど。」

「手伝ったら、ボスには何も言わないでくれますかー。」

「勿論。手伝ってくれたら、ベルセンパイの弱点も教えます。」

「悪くない報酬ですねー。で、何をすればいいんですかー。」

「えっとね、恋人になってほしいの。」

「…、え?」

「だから、仮の恋人を演じてほしいんです、フランセンパイに。
…大丈夫です、恋人っていってもキスとかはしなくていいですから。ちょっとセンパイにやきもち焼かせるだけですから。」

何、うろたえてるの、このカエルは。そんなに私の恋人役が嫌か。キスとか、ベルセンパイ以外にしないし、そこまでビックリするかな。てか、他に適役が居ないから嫌々こっちも頼んでるだけだって。
スクアーロ隊長はなんか下手そうだし、あー、なんだっけ、名前忘れたけど電気の人は喋りたくもないし仮でも恋人は嫌だし、ルッスーリアさんは、いい人だし、慕ってるけど、そういう役は出来ない人種だし、ボスに頼みごとなんてとんでもないし。

「ここまでほぼ完璧に押してきたんです、どうやって引くか、すっごく肝心なところなんで、手抜かないで、どうでもいいとか言わないで、しっかりご協力お願いします!」

「…、分かりましたー。ミーに任せてください。」

「ありがとうございます。じゃあ、まずは明日、ベルセンパイに、今から言うことを報告してきてください。」
 
 
  
何でミーがこんな事しなきゃいけないんですかー、ミーは道具じゃないんですけど。何でこんな嫌な思いまでしなきゃいけないんですか、恋のキューピットなんて苛々しますよー。だいたい、なんであれはセンパイが好きなんですかー。あんなセンパイの何がいいんですかー。絶対ミーの方がいいです。きっと全部、あの堕王子のせいですねー。あいつさえいなければ、あれがセンパイに惚れることなんて無かったのに。でも、これはちょっとだけチャンスかもしれませんねー。恋人(仮)、上手く使えばセンパイの心、へし折れますし。まずはセンパイの歪んだ顔、堪能させて貰いましょー。報告内容きつめにして。 
 
「ベールセーンパーイ、あのむかつくコウハイの事で報告がありまーす。」

「来んな。」

無視して報告を始めれば、センパイの顔が歪み始めた。カメラでも持ってこればよかったなー。

「その1−、センパイが投げたナイフが刺さった腕、すぐには治らないぐらいの大けがになりましたー。」

「無視すんな。」

ナイフ、上手く操れてませんよ、センパイ。不安とか、色々丸見えです。

「その2−、あれからずっと泣いてましたー。目ー、真っ赤になってましたよー。でー、ずっと泣いて考えた末、もう、センパイの事は諦めることにしたそうでーす。もう迷惑、かけれないからって言ってましたー。」

「しらねーから、出てけよ。」

そろそろとどめですねー。

「その3−、センパイの代わりにー、ミーが恋人になることに決めましたー。」

「は、?」

「ミーは、好きだったんですー、むかつくコウハイですけど。でも、あれはミーじゃなくて、ベルセンパイが好きだったから、手、出さなかったんです。」

どんな風に、聞こえているんでしょー、センパイの心には。半分、本音なので、心には響くと思うんですが。

「だけど、本人が諦めたし、センパイが好きじゃないなら、もう、遠慮する必要無いと思ったんでー。まぁ、ようするに、もう近寄らないでくださいって事を言いたいんです。ミーはセンパイとは違ってまともですから、あんなむかつく奴でも、大切に思えるんでー。当然、泣かせたくもないですしねー。なんで、手、出さないでくださーい。」

「勝手にしろよ。手出すも何も、今までオレから近づいたことなんてねーし、あいつが勝手に色々やってただけだから、オレは何とも思ってねーから。だからさ、さっさと帰れ、カエル。邪魔だから。」

「言われなくても帰りますよー。」

これで本当にセンパイの心が折れてくれればいいんですけどねー。もっと言いたいんですけど、あんまり言いすぎると逆にセンパイが恋って奴を本当に知っちゃいますしねー。さぁ、今度はなんとかしてあのむかつくコウハイを落とさないと。




人生楽だけ苦はいらない
(だけど、楽した先には苦があるの。)



≫…、な、なんか、フランのキャラが…。あ、あれ、フランが敬語じゃないときって、こんな感じで合ってたっけ…。てか何でフランまで参戦してるんだぁぁぁああぁ!





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