展示用
□魔の踏み切り
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トモ「Σいや〜ユリちゃん、ちょっとタンマ〜。」
『………J』
稜「……怖かった〜。」
ユリ「ふっふっふ。まだまだだな〜」
昼休み。稜子、トモ、ユリ、私の四人で怪談話をしていた。
とは言っても、ユリちゃんだけが話し、私達が聞く係だ。
先ほどのは、この学校の近くにある、踏み切りの話し……
この学校はほとんどが僚生活なため、踏み切りを使う人物は少ない、
しかし、私はその“まれ”な人物。
踏み切りを使うのだ
一つくらい何か言わないと…
『あのね〜これからどうするのよ〜。
私がその踏み切り使うの知ってるでしょう。
これから怖くて使えないじゃない。』
稜「あっ、そういえば踏み切り、使うんだったね。」
ユリ「あ、ごめ〜ん。
でも、こんなんで怖がってたらまだまだだよ〜」
トモ「え〜まだあるの!」
稜「ユリちゃん本当、よく怖い話しを知ってるよね〜」
『まったく〜』
ユリ「ふっふっ。
次お話するのは………
***
コツ
コツ
私達はあの後、午後の授業が始まるまで怖い話しを聞かされ、さんざんな目にあった。
そして、今日の授業は全て終わり、今は家に帰る途中だ……
そんな帰り途中、思いだしてしまうユリの怪談…………
ユリからたくさんの怪談を聞かされたが、1番頭から離れないのは“魔の踏み切り”
大丈夫。大丈夫。
自分に言い聞かせるがやはり刻々と踏み切りに近付くにつれ、不安はつのるばかり…
こんな時、誰か友達と帰れればいいのだが、
あいにく、みんな部活だの用事があるなどで一緒に帰る友達がいなかった。
コツ
コツ
自分の革靴の音が人一人いない道に響く
実をいうと、私は怪談などが大の苦手だ。
怖い話しは避けるようにするくらい……
何故怪談好きのユリと親しいのか私にもわからない……
カンカンカン
カンカンカン
そんな考えをしているうちに聞き覚えのある音がしてきた……
『(あっ。もう此処まで来ちゃった……)』
そう、ついに、踏み切りの前まで私はきてしまったのだ。
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