展示用

□地下室
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 詠子が不満そうに顔を歪めた時、地下室の出入口の方から男女の声が響いた。
「村神、入口が……!」
「動くな、木戸野!」
 そのやり取りで最後の二人が揃った事と、出入口が塞がれたか消えたかした事を知った。
 空目は詠子を一瞥し、観念するように瞼を下ろした。
 何故亜紀と俊也がここに来たのか、問う意味はもう無いだろう。
 それが彼女の『願望』であり、叶える事が『彼』の与えられる唯一のプレゼントならば、やむを得ないのかもしれない。
 だが武巳には、どうしても「神野の仕業」という言い回ししか浮かばなかった。
「最高の誕生日だよ。ありがとう、神野さん。」
 被害者一同の気持ちなど知らずに、元凶二人は柔らかに暗鬱に微笑み合った。


 闇の宴は、まだ始まったばかり―――


        END
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