展示用
□あなたの後ろに
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最初にその話を聞いた時は、嘘だと思った。
よくある怪談話、もしくは都市伝説の一種。・・・・・・・・・だと。
『なぁ、『あなたの後ろに』って話聞いたか?』
『最近噂の都市伝説だよ!』
『何だよ〜、興味ないのか〜?』
『なぁ〜、なぁ〜!!』
『よっしゃ〜!それでこそ、我が友だ!!んじゃ、話すぞ!』
今日、強引に話された内容が頭の中に反芻される。
はっきり言ってどこにでもあるような話だった。
―何が怖いんだ?―
よくある話を聞かされても、恐怖など湧かないはずだ。
なのに、皆がこの話を聞き、怖がり、話す。
全くもって妙な事だ。
―だいたい、何なんだよ、『ある筈のない電話番号からかかって来る。』って・・・・・・・・・―
何を基準にそう判断するのだろうか?
分からなかった。
ピリリリリリリ
一瞬心臓が跳ねた。
当たり前だ、携帯電話の事を考えていたからだ。
「驚いた・・・・・・・・」
呟いて、ポケットから携帯を取り出す。
ディスプレイに表示された名前を確認した。
「!!」
そこに映っていたのは名前ではなく番号。
つまり、登録されていない者からの電話だ。
そして、その番号は―――――
『000−0000−0000』
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