展示用
□双子
1ページ/3ページ
ガヤガヤ
『今回出し物何だす?』
ざわざわ
『それはね………』
学校は今、もうすぐで始まる文化祭の出し物決めで握っていた。
勿論、例外はなく此処も………
稜「だ〜か〜ら〜。今までみたいに本を書くんじゃなくて、
別の事やりたいの〜」
亜「ハア〜。あのね……
何でいきなり出し物を替えなくちゃいけないのよ」
文芸部、部室
本来なら此処は毎年、冊子配布が普通なのだが……
空「日下部。
おまえの言う、別の事をやってもいいが、何をするんだ?」
今まで本を読んでいた空目恭一が本を閉じ、一言。
稜「うっ;それは……」
冊子作り以外やった事ないため、いきなり別の出し物を言える分けがない………
亜「馬鹿者。意見を言うんだったら、
別の出し物を考えてからにしな。」
結局、この日は日下部稜子が折れるしかなかった……
***
稜「う〜ん。なんかいいアイディア無いかな〜。」
テクテクと腕を組みながら廊下を歩く稜子。
Σキャッ!!
稜「ご、ごめんね〜。」
「りょ、稜子先輩。こ、こちらこそスイマセンでした。」
1年生で部活の後輩が走っていたのに気付かず、危うくぶつかる所だった稜子。
稜「(うん?また走る音が……)」
再びパタパタと廊下を走る音が響いた。
走って来る人に気をつけながら、廊下を歩く稜子
そして、走って来る人を見て稜子は一瞬驚いた。
稜「(Σへっ!!
あの子さっき向こうに行ったよね……)」
さっき廊下でぶつかりそうになったばかりの子が
逆方向から再び走ってきたのだ……
しかし、よくよく考えてみる。
稜「(あっ、そっか、あの子ってたしか……)」
「あ、稜子先輩〜。妹がこっちに来ませんでしたか?
あいつまた逃げ出して……」
「(そうそう双子なんだよね)
きたよ。確か、あっちの方向に行ったよ。」
この学校にいる、数少ない、双子の姉妹。
その時、稜子の頭の中でピーンとひらめいた。
・