展示用

□双子
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ガヤガヤ

『今回出し物何だす?』

ざわざわ

『それはね………』



学校は今、もうすぐで始まる文化祭の出し物決めで握っていた。


勿論、例外はなく此処も………


稜「だ〜か〜ら〜。今までみたいに本を書くんじゃなくて、
別の事やりたいの〜」



亜「ハア〜。あのね……
何でいきなり出し物を替えなくちゃいけないのよ」


文芸部、部室



本来なら此処は毎年、冊子配布が普通なのだが……


空「日下部。
おまえの言う、別の事をやってもいいが、何をするんだ?」


今まで本を読んでいた空目恭一が本を閉じ、一言。



稜「うっ;それは……」


冊子作り以外やった事ないため、いきなり別の出し物を言える分けがない………



亜「馬鹿者。意見を言うんだったら、
別の出し物を考えてからにしな。」



結局、この日は日下部稜子が折れるしかなかった……



***



稜「う〜ん。なんかいいアイディア無いかな〜。」


テクテクと腕を組みながら廊下を歩く稜子。


Σキャッ!!


稜「ご、ごめんね〜。」


「りょ、稜子先輩。こ、こちらこそスイマセンでした。」


1年生で部活の後輩が走っていたのに気付かず、危うくぶつかる所だった稜子。


稜「(うん?また走る音が……)」


再びパタパタと廊下を走る音が響いた。


走って来る人に気をつけながら、廊下を歩く稜子


そして、走って来る人を見て稜子は一瞬驚いた。


稜「(Σへっ!!
あの子さっき向こうに行ったよね……)」


さっき廊下でぶつかりそうになったばかりの子が
逆方向から再び走ってきたのだ……



しかし、よくよく考えてみる。

稜「(あっ、そっか、あの子ってたしか……)」


「あ、稜子先輩〜。妹がこっちに来ませんでしたか?
あいつまた逃げ出して……」



「(そうそう双子なんだよね)
きたよ。確か、あっちの方向に行ったよ。」


この学校にいる、数少ない、双子の姉妹。

その時、稜子の頭の中でピーンとひらめいた。





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