車輪小説
□リトル☆パニック
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ボクの理論は完璧だった。
あとは試すだけだったんだ。
アンジェリカがマジョラムにもらったけど要らない、とか言ってボクにくれた植物で試そうとしたんだ。
ツルが伸びて触手みたいにお腹がすくと人を襲う植物だから、別に何かあっても構わないと思ってたんだ。
「そう、ボクは決してボク自身で試そうだなんて少しも考えてなくてね…って、聞いてるの!?」
「えぇ、聞いてますよ」
いつもの笑みを浮かべたままで答えるその手は、ボクの服を捲り上げていて、小さくなった手で叩いてはみるものの、まったく効果はない。
そんなボクの反応も楽しいのか、彼の手はどんどんエスカレートしていく。
膝の上に乗せるだけだと言ったのに。
「まあ、なんであれ、せっかく小さくなったんですから、楽しみましょうよ」
そう、自分にかかってしまった事を除けば、この実験は成功なんだ。
かつての姿にする。
間違ってはいなかったんだろうけど、戻る薬なんてものは作ってなかったし、どのくらい待てば効果がなくなるかもわかんない。
一生このままかもしれない。
そんな不安でいっぱいだっていうのに、彼の手はいやらしくボクの身体を触るだけ。
あーもうっ!
「さっきから何してるんだよ!!」
「私なりに考えて、貴方を元に戻そうとしているだけですよ」
「何言っ…ひゃ!?」
いきなり耳を舐められて、ゾクリとした感覚が背中を駆け抜けて、変な声が出た。
後ろからボクを抱えるように伸びた彼の両手が、胸の辺りを優しく撫でる。
もうっ…なんなんだよ!?
「子どもになったのなら、大人の階段をのぼれば元に戻ると思いませんか?」
「思わなっ…あ、やぁ…!」
キュッと摘まれる。
なんでだろう、身体が熱くなるのが早い。
膝の上でいいようにいじられて。
あぁ、もうどうでもいいや。
彼には普段から反抗しきれないんだから、この身体で抵抗できるわけない。
元に戻ったらこの薬をかけてやる…!
………あとがき
小さくなったネタをちょっとやってみたかったんです。
久しぶりに何か書こうと思ったらこうなった。
ジギジョル布教中。