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□嫌いじゃなくて
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毎日声を掛けては避けられる日々が本当に辛い。
今日は変わるかも、なんて期待はいつも裏切られてしまう。
だから段々と期待は薄れて、濃くなってゆくのは拒絶される恐怖心。
前方にデイダラが見える。
いつもみたいに話し掛けて…今日は変わるかも…ううん、今日、も…拒絶…されるかも…。
そんな思いがぐるぐると渦巻く中デイダラとふいに目が合った。
デイダラは焦った表情を見せ、困ったように少しその場に立ち止まった後、くるりと私に背を向けて、今来た道を歩き出した。
今日は変わるかも。
確かに、変わってたね。
昨日よりも今日、そしてきっと今日よりも明日。
もっともっとデイダラに避けられて、嫌われていくんだ。
そんなの嫌だよ。
堪えきれなくて流れる涙。
私は気持ちを押さえられなくて叫んだ。
「デイダラっ!何で避けるの!?私のこと嫌い!?」
不安で、不安で、辛くて、苦しくて、寂しいのに。
聞こえてるのに何で無視するの?
思うよりも早く、足はデイダラの元へと駆け出し、私はデイダラに抱きついた。