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□結婚は俺と。
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「何故、突然そんなことを思い付いたんだ?名前はサスケの名前しか知らないはずだろう。」
「だって、お兄ちゃんの弟なんでしょ?それだけで十分だよ。」
一瞬きょとんとしたが、すぐに笑顔になってそう言った。
何が十分なのかが全くわからない。
名前も年頃で、男に興味があるのか。
「ナンセンス…。」
「え!?お兄ちゃんは嬉しくないの?」
嬉しい訳がないだろう。
想い人が他の男と結婚など。
暫く黙り込んでいると、名前は悲しそうに口を開いた。
「サスケくんと結婚したら、お兄ちゃんと本当の家族になれて、ずーっと一緒にいられるって思って…。
すごく嬉しくなっちゃって、お兄ちゃんの気持ち考えられてなくて、ごめんなさい。」
言いながら涙目になっていく名前を見て、少しの罪悪感を覚える。
しかしそれよりも、愛しさの方が遥かに上回っていて、思わず口元が緩む。
どうしてこうもこの女は可愛いのだろうか。
どうしてこうもこの女は俺を意図も簡単に振り回すのだろうか。
愛しい。ただひたすらに愛しい。
「名前。お前は俺と家族になりたいのか?」
「うん、ずーっと一緒にいたい。」
「ならば、俺の妻になるという選択肢もある。その方が永久に、確実に共にいれると俺は思うが。」
「っ、うん!私、お兄ちゃんのお嫁さんになるっ!!」
その言葉が例え兄としての俺への気持ちだとしても、そのうち男としての俺への気持ちに変えてやろう。
名前が俺をこんなにも振り回したように。
END
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