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□考えるだけ無駄だから
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「なァ、名前はもしも俺が死んだらどうする?」
「どうする…って、飛段は不死身だから考えるだけ無駄でしょ。」
「そっかァ。そーだよなァ。」
ぶっちゃけこの質問をするのは初めてじゃなくて、最近ではもう数えきれないくらいこれと全く同じ質問を名前にしている。
何回聞いても答えはいつも同じなんだけどよォ。
だけど、いつもはこういうことすると「何度もうざい。一回でわかれバカ。」とか言って名前は2回以上は答えてくれねェのに、この質問だけには聞くたび聞くたび答えてくれんだ。
答える時、自分に言い聞かせるような口調な気がするのは俺の気のせいじゃねェはずだ。
強がりな名前だからよォ、中々弱いところを見せてくれねェ。
名前も何となく予感がすんだろ?
俺らしくも、名前らしくもねェけど、俺がいなくなるような、そんな予感。
「じゃあー、俺が名前の側からいなくなったらァ?」
「それも飛段は不死身だから考えるだけ無駄。だってあんた私のこと愛してるんでしょ?だったらいなくなるはずない。」
「ゲハハハハ!そうだな!」
「…飛段。」
「んー?…っ」
「私も飛段のこと、愛してるんだからね。」
突然名前が俺にキスして、愛してるとか言った。
強気に振る舞ってるけど、瞳が不安で揺れてる。
でもまァ、大丈夫だよなァ。
名前が俺のこと愛してるって言ってるし、俺は不死身だし?
これからもずっと名前と一緒にいられる。
俺はそう思うぜェ?
それに何より名前がそう言うんだから俺は絶対大丈夫な気がする。
気っていうか…絶対大丈夫っていう自信がある。
俺と名前の愛の力は超スーパーすっげェんだぜェ?
だからよォ、名前。
ぜーってェ忘れるなよ。
俺は名前を誰より、何より愛してるんだからなァ。
大丈夫。ずっと側にいる。
END