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□愛しきバカ
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「飛段ってバカだよね。」
「ハァ?何言ってんだ名前。俺より天才な奴はいないんだぜェ!!ゲハハハハァ!!!」
「その笑い方からしてバカっぽいもん。何の根拠があって自分を天才と呼んでいるのかが全く理解できない。」
「根拠ならあるぜ。俺、忘れっぽいからよォ、毎日日記書いてんだァー。天才じゃね!?」
自慢気に話す飛段が何だか痛々しくて、もう何も言えなかった。
覚えてられない時点で天才とは言えないんじゃないかな。
あ、バカと天才は紙一重っていう感じ?
まあ、ある意味では飛段は天才よね。
信じ込める天才。
言い換えれば信じすぎなバカ。
私が言いたいのはそういうことじゃあないんだけど。
でも、飛段も日記なんて書くんだ。
…ちょっと気になる。
読みたいけど、読みたいって言うのも何かな〜…。
それに読んだ後の感想にも困るじゃない。
でも気になる…。
そんな好奇心に負けて、私は飛段の部屋に忍び込んでいた。
日記を探さないと、と早速探したら、机の上に”DAIALIー”ってどう見ても綴りが違う英単語が表紙にデカデカと書いてあるノートを見付けた。
…”DIARY”って書きたかったんだよね。
そのノートを手に取って、早速表紙をめくった。