□フカヒレ大騒動
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「鬼鮫。」




いつになく真剣な表情のイタチさんが私の名前を呼びました。



別に名前を呼ばれたくらいで怖がることはないのですが、何故か嫌な予感がします。




「何ですか…?イタチさん。」




「すまないが…俺の為にフカヒレになってはくれないか?



は?




嫌な予感は的中です。
でも、まさかこんなことだとは思いませんでした。
イタチさん、お腹でも空いているのでしょうか?




「大丈夫だ。鬼鮫、お前は最上級のフカヒレになれる。自信をもて。」




未だ真剣な眼差しで…というか、本当に真剣に私にフカヒレになれと訴えてくるイタチさん。



そんなことに自信をもてと言われても。
大丈夫って、何も大丈夫じゃないですし。




「い、嫌ですよ!私フカヒレ嫌いですしっ!」



「ああ、お前が食べると共食いになってしまうからな。でも食べるのはお前じゃない。安心しろ。」




いや、だから何に対しての安心なんですか?



フカヒレになれ=私が食べない=私が食べられるってことですよね?



この人実は物凄く馬鹿なんじゃないですか?




 
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