□馬鹿は馬鹿でも
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私は今、夏祭りに来ている。
一緒に来ているのは、大好きな大好きなイタチで。




夏祭り。恋人同士。
そうとなったらいちゃいちゃいちゃいちゃ…夏の暑さも参ってしまうような、そんな熱くて甘い、夢のような時間。




…を、期待していたのに。




「…ねえ、イタチ。あんた何してんの?」



「何、とは?」



「それはたこ焼きなの。団子じゃないの。そんなに串に刺して、団子みたいに食べるもんじゃないと思うんだけど。」



「別に構わない。それに、こっちの方が美味しそうに見えるだろ?」



「だろって言われても。ていうかさっきのベビーカステラもそうやってたよね?
それにリンゴ飴も、わざわざ3個も頼んで…。」



「…団子が大好きだからな。」



「何その理由。」




全然甘くもなく、熱くもない、私の期待とは違ったある意味夢の時間。



予定では、私の手をぎゅっと握ってくれていただろうイタチの手はどちらとも、団子のように串刺しになったたこ焼きをしっかりと握っていて。



イタチの基準はどこでも団子みたいで、私は軽く団子に嫉妬した。



 
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