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□嫌いじゃなくて
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最近私はデイダラに避けられている。
勘違いではなく、本当に。
「デイダラー。」
「だ、駄目っ!オイラに近付かないで!うん!」
今みたいにちょっとでも声を掛けようもんなら、一目散にどこかへ行ってしまうのだ。
さすがに何度も何度も避けられるうえ、「近付かないで」と明らかに拒絶の言葉を何度も何度も浴びせられるといくら精神を鍛えていてもキツい。
相手が好きな人なら、尚更。
しかもどうやら避けているのは私だけらしく、他の人とは普通に接するし、自分から話し掛けに行っている。
嫌われてしまったのかも。
そんな不安ばかりが頭に浮かび、日を重ねる度その不安が私の中で真実となってくる。
何で嫌われたんだろう。
いつ嫌いになられたんだろう。
もしかして、最初から…?
考えれば考える程不安は真実へと変わりそうで、しかし不安は止められなくて、涙が溢れそうだった。