□暑い中、君と熱く
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「アイスが食べたい。」




ボクの可愛い彼女がそう言った。



今日は物凄く暑いもん、そう思うのもわかるよ。



だからボクは名前にアイスを食べさせてあげたいと思うんだ。



でもね、このくそ暑い中アイスを買いに行ったら…買うまでに干からびちゃうよ。




困ったな。
愛の為に死ぬなんて、まあ、かっこいいけど暑さに負けて死ぬのはカッコ悪いし。




ああ、頭がクラクラしてきた。



溶けちゃう。
干からびちゃう。




ぐだっとだらしなく床に倒れ込んでいると、頬に何か冷たいものを感じた。




「冷たっ!」



「あ、ごめんごめん。」



「ああ、名前か。どうしたの?」



「はい。アイス買ってきたの。冷たいジュースも買ってきたよ。」



「え、こんな暑い中?」



「うん。だってこのままじゃ水月が溶けていなくなっちゃうと思って。…まあ、私が食べたかったからっていうのもあるけどね。
ねえ、溶けないうちに一緒に食べよう?」




ああ、なんて名前は可愛いんだろう。



名前だって暑くて外になんて出たくないはずなのに、こんな暑い中ボクの分まで…。




「名前、大好き。」



「へ!?い、いきなり何!?」



「愛してるよ。」



「っ、私、も。」




顔を真っ赤にする名前がとっても可愛くて。




名前とならいくら熱くてもいいな、なんて思った。







END



 
 

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