過去拍手文
□白夜叉姫異聞-10
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◆白夜叉姫異聞−10◆
バカじゃね?
あいつバカすぎじゃね?
もう名前とかバカ杉でいいんじゃね?
「キズものにした責任は取る・・・ぎんとき、俺と結婚しよう」
さっきの言葉を思いだす。
あんな真剣な顔、初めて見た・・・じゃなくて!!
「な、なに言ってんだよ?!子供同士じゃん」
突然のことに焦ったおれは、そんなことしか返せなくて。
「ハハハッ・・・松陽先生も同じこと言った!大人になってからの話だって」
眩しい笑顔を振り撒く晋助に思わず見惚れて・・・無いよっ!無いからね!!
もうどうしたらいいのかわからなくて走って逃げてきてしまった。
去り際にも晋助は、「約束したからなァー」と叫んでいた。
本気かな?
まさかな・・・。
だってさっきまで男だと思ってたじゃん。
部屋で悶々と悩んでいると、とうに日が暮れていた。
「ぎんとき?・・・夕餉にしますよ」
音もなく障子が開いて先生が部屋を覗きこむ。
「先生・・・」
そんなに時間が経ってのか、
「晋助は?」
「とっくに帰りましたよ」
どことなくホッとした。
ホッしたら急にお腹もすいてきた。
「先生ッ、早く食べよ!!」
まぁいいや・・・深く考えるの止めよう。
大人になってからって言ってたし。
そんなのずっと先だ。
おれはメンドクサイことは後回しにするタイプだ!
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