過去拍手文

□白夜叉姫異聞-10
1ページ/1ページ

◆白夜叉姫異聞−10◆





バカじゃね?

あいつバカすぎじゃね?

もう名前とかバカ杉でいいんじゃね?



「キズものにした責任は取る・・・ぎんとき、俺と結婚しよう」

さっきの言葉を思いだす。
あんな真剣な顔、初めて見た・・・じゃなくて!!



「な、なに言ってんだよ?!子供同士じゃん」

突然のことに焦ったおれは、そんなことしか返せなくて。

「ハハハッ・・・松陽先生も同じこと言った!大人になってからの話だって」

眩しい笑顔を振り撒く晋助に思わず見惚れて・・・無いよっ!無いからね!!



もうどうしたらいいのかわからなくて走って逃げてきてしまった。
去り際にも晋助は、「約束したからなァー」と叫んでいた。


本気かな?


まさかな・・・。


だってさっきまで男だと思ってたじゃん。




部屋で悶々と悩んでいると、とうに日が暮れていた。

「ぎんとき?・・・夕餉にしますよ」

音もなく障子が開いて先生が部屋を覗きこむ。

「先生・・・」

そんなに時間が経ってのか、

「晋助は?」

「とっくに帰りましたよ」

どことなくホッとした。

ホッしたら急にお腹もすいてきた。

「先生ッ、早く食べよ!!」



まぁいいや・・・深く考えるの止めよう。



大人になってからって言ってたし。



そんなのずっと先だ。



おれはメンドクサイことは後回しにするタイプだ!









.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ