過去拍手文

□白夜叉姫異聞-5
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◆白夜叉姫異聞−5◆




あったかい




ここはいつもあったかい。





「おーい、ぎんときィー」

「隠れてんじゃねェー」

とおくの方で、あの二人の声がする。
これで何回目だろう・・・。
べんきょうのとちゅうで逃げ出すのは。


しんすけとヅラはあの人と同じくらいやさしい・・・ときどきはコワいけど。
べんきょうがいやなわけじゃないけど、どうしても一人になりたいときがある。


急に不安になる・・・。


ここはあったかいから。


今までとちがうんだ。
しんぞうがきゅうってして、気付いたら走ってて、その場を逃げ出してる。

「ぎんとき、見つけましたよ」

おもわず、体がビクッとなった。
振り向くとあの人が立っていた。

「あ・・・」

怒られるかな・・・。

「温かいお茶でもどうですか?饅頭もありますよ」

笑ったかおが好き。

やさしい人。


まんじゅうも好き!!



「まんじゅう!!」

「では晋助と小太郎を呼んできてください」

「うんっ」

あったかいところ。



ここに来れてよかった。



あの人も、あの二人も、もっと好きになりたい。



しゃべるのが下手だけど・・・
まだ なじめないこともあるけど・・・





ここが好き・・・。










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