通りすがりのニンフ
□サンタにプレゼントは付き物です。
1ページ/1ページ
その後私は小十郎にクリスマスの歌を教えたり(やっぱり歌い辛そうだった)
松の木に飾り付けをしたり色んな事をしてクリスマスを満喫していた。
その間小十郎の顔は輝いていて、何処か(いや、ものすごく)楽しそうだった。
・・・・サンタは居ないって分かる、よね??
サンタは子供達の親なんですよ??って言うに言えないこの空気。
小十郎だったら絶対サンタの正体を見破っているという事に賭けよう。いや、賭けたい・・・。
「梵天丸様夕餉が出来ましたよ!」
「ああ、今行く。」
飾り付けられた松の木を見ていた私に小十郎がそう言った。
今日の夕餉は何だろうとうきうきして見ると、今日の夕餉はどこか豪華だった。
小十郎が頑張ったのかな・・・?
一口食べて「美味しい」と言えば小十郎は頬を緩ませ嬉しそうに私を見た。
そんな小十郎の顔を見るだけでおなか一杯になってしまう私っておかしくないよね?
もぐもぐと口を動かせて夕餉を食べて
食べ終わったら小十郎と少し話をして、本読んで・・・・。
なんてしているうちに就寝の時間になった。
小十郎はせっせと私の寝具の準備をして私を横にした。
「おやすみなさい梵天丸様」
「おやすみ」
そう言って小十郎は私の部屋から出て行った。
・・・さて、小十郎はこれからどんな行動をとるのだろうか?
サンタを待ち伏せ??自らサンタになる??
どっちだ!!
小十郎の行動を見守るべく起きていようと頑張っていた私だがいつの間にか寝てしまっていたらしい。
ふと、目が覚め目を開けると、薄暗い部屋の中もぞもぞと何かが動いていた。
驚いたが、どうせ小十郎あたりだろうと思った。相手に気づかれないように私は寝具からこっそり顔を出して相手が誰かを見ようとしたが見えない。
いや、どうせだったら驚かせよう。
悪戯心が騒ぎ出し、私は寝具からがばっと起き上がり私の枕元で動いている相手の顔を見た。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
へ、あれ??
私の目の前には、なんとか一枚の袋に頑張って入ろうとしている小十郎と父上が居た。
二人とも袋に手をかけたまま私のほうを見て動きを止めている。
え、どうしよう。なんかごめんなさい。
「「め、減りぃ栗栖増す!!梵天丸(様)!!」」
「あ、ああ」
メリークリスマス!!!!!!!
.
おまけ
「小十郎、父上一体何を・・・」
「いや、あれだ!気が付いたらここに立っていたっていうあれだ!!」
「そ、そうです梵天丸様!小十郎も気が付いたらここに立っていたと言うわけです!!」
私の頼んだ物、暖かい物だよね・・・?
あ、そうか分かった!!
私は二人に近づくとがばっと抱きついた。
「「!?」」
「暖かいな・・・。」
そうすれば、二人は私の背中に腕を回し抱きしめてくれた。
「それは良かった」
「梵天丸様に喜んでいただけてよかったです」
こうして今夜は無理やり小十郎を寝具に押し込んで三人で一つの寝具で寝ました!
暖かったです!!
プレゼントは大好きな小十郎と父上でした!!
(本当に)完!!
.