通りすがりのニンフ

□クリスマスにサンタは付き物です。
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「Merry Christmas!!小十郎!!」

「え、減りぃ栗栖枡?」

Merry Christmas.と小十郎に言えば思った通り(?)発音が漢字とひらがなの小十郎。
やっぱりこっちの人は南蛮の発音が苦手みたいで小十郎が、ひらがな・・・。
私は笑いを堪えるので一生懸命だ。

「Merry Christmas!今日は12月24日クリスマス・イブだ!!」

と、いう事で、いつもよりテンションが高い私は今日クリスマスカラーという事で
赤をベースにした着物に緑の帯、庭から取ってきた松の木の枝を持っている。(モミの木の代わり)

「その・・・栗栖、枡とやらは何なのですか?」

頭の上に「?」を乗せている小十郎に私は松の木をブンブン振り回しながら答えた。

「クリスマスって言うのはな、サンタが良い子にしていた子供たちの家の煙突から入りプレゼントを枕元に置いてくれるっていう南蛮の行事なんだぜ?」

「なんと、不法侵入ですか!?」

「ちげぇよ」

なんというお約束の台詞を・・・。小十郎は本当に期待を裏切らないんだから。

「その、三太九郎素がぷれぜんとを持ってくるのですか?」

「ああ、そうだ!!」

と、笑顔で答えれば小十郎は「失礼します梵天丸様」と言って何処かへ行ってしまった。
喜多や、そこら辺の人にでも聞いてきたのかな?

寂しい気持ちを抑えて小十郎を見送ると、暫く経ってから小十郎がもの凄い形相をしながら私の部屋に入って来た。
その、小十郎の形相に思わず部屋の隅に逃げてしまったのは本能と言って誤魔化そう。

「梵天丸様!!」

「な、何だ?」

「梵天丸様はその、三太と言う者に一体何を御願いするのですか?」

「え?」

お願い?プレゼントのことか??
そう言えば、欲しい物なんて無いしなぁ・・・・・。何かあるかなぁ??

「うーーんとな、」

「はい」

「暖かい物が欲しいな」

最近寒いし。

「分かりました。この小十郎。三太とやらに言ってまいります。
梵天丸様のぷれぜんと、必ずや届くでしょう!!」

妙に張り切る小十郎。
なんで、小十郎がそこまで輝いているんだ!?

「う、うん。ありがとう」







続く!!
(続きは明日です)

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