この恋を忘れた頃

□なんとなくでさようなら。
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(グロ(?)有です)




私は森の中をさまよった。
どこに行けば良いのかも知らず、ただ道と言えない様な場所を通っていた

どこに行けばわからないから

私はそんな理由をつけて最初いた場所から真っ直ぐ突っ切って行った。そして今現在にいたる。


歩いてから一日ぐらい経ったのかな?
夜が来て朝日が昇ってもうすぐお昼になりそうなころだ

そろそろ何か食べないとな・・・。

そう思って今にもおなかがなりそうなおなかを手で押さえた


変わらない風景。もううんざりだ。


しばらくすると、道という道に出た。
道は左右に分かれていた


「どっちに行こうかな」


なんてボーーっとしながら言ってみた。別にどっちでも良いんだけどね、早く人に会えればそれでいいんだけどね


私はなんとなく右の道を進む事にした。


何があるんだろう。


やっぱり道は歩きやすい。さっきは草や枝を避けながら進まなければならなかったから歩きづらかった


私は空を見上げた。

透き通るような青空。眩しささえ感じられる。しかし感じるのはそれだけ。それで十分だと思った。


体を横切る風は温かいとも冷たいともどちらとも思わない。

今の季節は・・・・春。・・・だろうか?
まぁ、別に季節なんてなんてもなんないんだけどね。


私はそのまま歩き続けた。場所はもちろんわからない。進む目的はもちろん人を殺すため。


それだけのために私は歩き続けた。


どのくらい経ったのだろうか、しばらくすると目の前に一つの民家があった



「民家発見。人いるかな?」


そんな独り言を言いつつ私はだいぶ離れたその場所からその民家を見た


じぃっと見ていると人の気配とともに何か動くものが見えた。人と言う確信は無かったがなんとなくあえは人だろうな、と思った。


おなかすいたなぁ・・・・・。



家に近づいてみると庭のところで女の人が野菜を洗っていた。
美味しそうな色をしている。



「すみません」


私はその人に話しかけた。
女の人は水の滴る野菜をざるに入れながら私を見た。


「はい、なんでしょうか?」


そう言って女の人は私を不思議そうな目で見た。

なんでだろう?


私は女の人と自分を見比べた。おかしなところなんてあるのかな・・・。

いくら見てもわからない。

そこで女の人の視線をたどってみると私の服にたどり着いた。

これがおかしいのかな?
私は服の裾を指で軽く持ち上げた。


女の人は私の行動を見て自分が私を凝視した事に気が付きばつが悪そうな顔になった


「あ、ごめんなさい。珍しいお召し物だったからつい・・・・」


そう言って女の人はぎこちない笑みを浮かべた。


「そ、そういえば何か用があったのよね!なにかしら?」


慌てて話をそらすように言った



「すみません、わたしここがどこだかわからないんです。知っている人もいないようで・・・。
もう丸一日何も食べていません。よろしかったら何か食べ物をくれませんか?」


と、できるだけ怪しまれないように言ったつもり・・・。どうかな?



「まぁ、そうなの!?それは可哀想に・・・・・。、まってね、今何か食べ物を持ってきてあげる」


そう言うと女の人は家の奥に入っていった。
どうやら私の言葉を信じてくれたみたいだ。それになんて優しい人。

次に女の人が来た時には笑顔で女の人を迎えた。女の人も私につられて笑顔になった。
女の人はどうやら私が無理して笑っているように見えたみたい。


女の人はおにぎりを作ってくれたみたい。
三つのおにぎりを渡される。
私は、「ありがとうございます」と言っておにぎりを食べた。

おにぎりは塩がきいていて美味しかった。おにぎりのほかに庭で取れた野菜を使った漬物もくれた。


女の人はとても気さくな人で、多分誰からにも好かれるタイプだろう。


私はおにぎりと漬物を食べ終えるとその女の人とお話をした。
女の人はお咲さんという名前らしい。

花が咲き乱れるような笑顔の似合う子に育ってほしいと名づけられたそうで、その名前の通りお咲さんの笑顔は花が咲いたようにきれいだった。



私はお咲さんに自分は記憶喪失だと言うことを話した。
お咲さんは心から心配してくれた。



お咲さんにはいろいろな事を聞いた。この世界のこと、この世界の常識、この世界はどういった世界か。
そのたびにお咲さんは優しく教えてくれた。


そして太陽が傾きもうすぐ夕方になるだろうとおもわれる時間になった。


「それじゃあ、本当に大丈夫なの?私が町まで連れて行ってあげようか?
それとも、ここに住んで記憶を思い出すまで待つかい?」


お咲さんは優しくそう言ってくれた。眉間の皺からすると演技ではなさそうだ。
それに、「少しでごめんね」と言って私にお金まで持たせてくれた。


「はい大丈夫です!!すみません、ご飯ももらってお金まで貰っちゃって・・・。」


「いいのよ、それよりもまたここに遊びにおいで!!いつでも歓迎してあげるよ!!」


お咲さんは本当に良い人だ。何度でも言う。良い人です。



「はい!またお咲さんに会いに行きます!!」


私はお咲さんに今日一番の笑顔を送った。
そして、手を振ってお別れ・・・・・・・・













・・・っていう事にはならないんだなこれが。








私はお咲さんが後ろを向いて家に向かって歩き始めた事を見てから足音をたてずにお咲さんの後ろにきた。


手には拾った大き目の石がある。



「ばいばい、お咲さん」





ゴツッ





鈍い音を立ててお咲さんの頭に当たりお咲さんは血だらけになって倒れた。

そして私は倒れたお咲さんの頭にあと五回ほど石で殴った。



「・・・・死んだかな?」




私は血だらけになってそこに立った。
さっきまで仲良くお話していたあ咲さんを見下ろすように。


人間はね簡単に表を見せては駄目なんだよ?簡単に人を信用したり、簡単に人を受け入れたりしても駄目。


次生まれ変わったらもっと学習しようね?




私は血で赤く染まった石をお咲さんの隣に置いた。
その時、頭に鈍い痛みが走った。それと共に流れてくる映像のようなもの。
その映像には、私が誰かと笑顔で話しているところだった。


次の映像は私が『ガッコウ(学校)』に行っている映像だった。


そして最後に真っ白な世界で男の人が私に話しかけている映像だった。

『ー人を殺せば記憶が戻るー』

ノイズが入っていて聞きづらかったがそう男の人は言った。



そこで、頭の中に流れた映像は終わった。
何故私は笑顔なの?隣にいる人たちは誰だろう・・・。
それに、頭の中に出てきた単語『ガッコウ』って・・・・・なに?


わからない。・・・なにやら不思議な感じがする。
私は一体何なんだろう・・・・。


しかし一つわかった。
人を殺せば記憶が戻る。そのこと。

だから最初『殺せ』って頭の中で聞こえたんだね。
だけど、何故?何故私は記憶をなくしたの?何故人を殺すと記憶が戻るの?



わからない・・・・・。




私はそんな謎を抱えながら、お咲きさんをその場に置いたままにして家の中に入った。


そこで、お金と役に立ちそうなものと着物を貰った。

着物は着方がわからないからお咲さんのを見よう見まね。

ぐちゃぐちゃ。だけど、別に気にしない。


私の記憶はまだまだある。こんなのじゃあ全然埋まった気がしない。


もっと人を殺さなきゃ。







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