BATTLE×TENNIS
□Can you…?
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「立海の切原…」
「……切原赤也。なんで」
「なんでって?そりゃ、人が居たら撃つでしょ…まさか紗奈先輩が気付いて不二さんを庇うとは思いませんでしたけど…」
切原は既に赤目状態で手に持った銃の銃身をまた不二にあわせた
「…」
「アハハハハハッ!先輩、先輩!俺、もう狂っちゃったみたいッス!人ォ殺しても何も感じない、殺す事になんの躊躇いもない!」
「じゃあなんで赤也は泣いてるの?」
未だに銃を不二に向けてはいるが紗奈の言葉に切原は戸惑いの色を隠せなかった。
「泣い、てる?俺が?ナニ、言って…」
声も震えだし言葉も途絶え途絶えしている。すると不二が一歩だけ切原に近づいた。切原も一歩後退していく。
「切原、紗奈の言ったことはホントだよ…今も涙を流して泣いてる。君は狂ってなんかいない」
「ァ…オ、レは。俺は人を殺したんだ!人を!」
パンッ
切原の撃った弾は不二から逸れて近くの木に当たった。
パンパンッ…
何度も撃つが当たらない。
弾が無くなりカチカチと銃からは玉切れだとわかる音が聞こえる。それなのにまだ引き金を引く。
切原は少したって力が抜けたように崩れ落ちた。
赤目もいつの間にか引いていた。
ただ涙と涙を堪える様な嗚咽を残して。
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